守り神の木

うたた寝中のアミィベア。さわやかな風に頬を撫でられ目を覚ましまた。
「よく寝たなあ」寝転がったまま大きな木を見上げました。

木は枝を動かして、アミィベアの上に大きな日陰を作ってくれていました。
「ありがとう」とお礼をいうと、大きな幹の途中にある大きな目がやさしくにっこりとほほ笑みました。
「ねえ、大きな木さん。あなたのてっぺんはどうなっているの?」
大きな木はほほ笑むだけで何も答えてくれません。
アミィベアは仕方ないなあとつぶやくと、心地よい風をゆりかごに、またうたた寝をはじめました。

この街は、ドーナツのように丸くなっていて、街の真ん中に大きな大きな木がそびえたっています。それが「大きな木」さん。

その大きな木は、実は守り神の木。

守り神の木は、大きな目と大きな口、大きな耳を持っていてみんなをやさしく見下ろしています。大きな腕のような枝は、暑い日はみんなのために日陰を作ってくれて、また風の強い日は風よけになってくれるのです。
足元はというと、、、その根っこの方は、なぜか体育座りをしているのです。

みんなその大きな木が大好きで、何かというと、木のまわりに集まっておしゃべりを楽しんでいます。嬉しいことがあるとお弁当を持って木の下で祝杯を上げ、哀しいことがあると木に話を聞いてもらうのです。みんなこの木が大好きなのです。

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